爪痕
会社の事務のおばちゃんの旦那さんが亡くなった。享年わずか58歳。
糖尿病からの合併症を引き起こしての突然死だったらしい。
そういうわけで一時的におばちゃんが抜けることになっちゃったのだが、
このおばちゃんはうちの工場の事務の要の人なので、もうてんてこ舞い。
代わりに事務一切を引き受けることになったおばちゃんはまだ経験2年ぐらいのペーペーで、
仕様変更の図面が添付されてるの見落として現場に指示書出しちゃって、
一度作った製品を全部廃棄して新たに作り直さなきゃいけなくなったりして、
飼い主はんたらもうプンプンが止まらないのです。
ところでこの一報を聞いた時、人間いつ死ぬか分からないと改めて感じた。
もちろん飼い主はんだって例外ではない。
幸い飼い主はんには持病などないが、死因は病気だけとは限らない。
明日車に轢かれるかもしれないし、強盗に襲われる可能性だってある。
そこでふと考えた。俺はこの世に何か残してきただろうかと。
飼い主はんがこの地球上に生きていたという証。爪痕。
人として生まれてきたのだから、後世の人間に何か伝えられるものを残したい。
だから俺は、飼い主はんは、ついに立ち上がることにした……!
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楽な網戸の張り替え方
みなさん網戸を張り替える時、まず網戸のサッシを床に敷いて、
その上で四つん這いになって網を張っていってることと思われます。
飼い主はんもそうしようとしたんです。
ところが飼い主はんの部屋ったらとても狭く、おまけにちゃぶ台やら座椅子やら色々あって、
サッシを敷くスペースが無いんです。
部屋片付けるのも面倒だし、さてどうしたものかと考えた末に編み出した技がこれだ!!
壁に立てかければいいのだ!
これにより体勢が楽になるのはもちろん、最初に一番上の溝に網戸をはめてしまえば、
あとは重力で網戸が垂れ下がるので結構きれいにピーンと網戸張れちゃうのだ!
「ちょっとあんた、暇だったら網戸張り替えなさいよ!」
と言われてる全国のダメ親父ども!
この方法で張り替えて鬼嫁の鼻を明かしてやれ!
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こうして網戸張り替え界に爪痕を残すことに成功した飼い主はん。
もう、いつ死んでもいい。