飼い主はんと背後霊君

~これは飼い主はんと背後霊君の青春群像ドラマなのである~

結婚願望

あーあ、結婚したいなあ。

 

「え!人間嫌いのこいつの口からそんな言葉が出てくるとは!

 45歳にもなって独身ってのは人としてカスであるとついに目覚めましたか!」

 

いや、実はね。

 

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今度の日曜に、3年に1回ぐらいやってるアパートの排水管一斉清掃があるんだよ。

これ外回りの排水管だけでなく、各部屋に清掃業者が上がり込んで風呂場や台所や洗濯機置き場なんかの水回りもジェット噴射で清掃するんだ。

だから、業者が清掃しやすいようにあらかじめ風呂場や台所や洗濯機置き場を片付けておかなきゃいけないの。

特に洗濯機置き場なんて髪の毛やらこぼれた洗剤やらでかなり汚れてるんだ。

これ掃除しなきゃいけないのかと思うと憂鬱で憂鬱で。

こんな時にさ、嫁がいれば掃除させとくのになあと。

業者が来る時も嫁に応対させて、俺は図書館にでも逃げるのになあと。

 

「こいつ……結婚相手をただのお手伝いさんとしか思ってねえ……」

 

そんなわけねえだろ!

タダでやらせてくれる売春婦とも思ってるよ!

 

「うわあこいつ早く死なねえかな」