飼い主はんと背後霊君

~これは飼い主はんと背後霊君の青春群像ドラマなのである~

そして父親気分になる

飼い主はんたら木曜から土曜まで生みの親であり育ての親でもある人のとこに帰ってたんすけど、

羽田空港から所沢に帰るバスの中でこんなことがありました。

 

羽田空港発のバスは最初に国際線ターミナルを発車し、国内線第2ターミナル(ANA)、国内線第1ターミナル(JAL)の順に客を拾ってから各行き先に散らばって行きます。

飼い主はんはいつもJALを利用しているので本来なら国内線第1ターミナルで待っていればいいのですが、

バスが第1ターミナルに着く時はすでに国際線、国内線第2の客が乗っているわけです。

バスは観光バスのような4列シート。定員制なのでさすがに路線バスみたいに立ち席ということはありませんが、

空いてる席を探して「すみません、ここよろしいですか?」とすでに隣りに座ってる人に形だけでも聞かなければならないのです。

んなわけで飼い主はんはいつも第1ターミナルから国際線ターミナルまで無料バスを使い、

悠々と自分の好きな席を選べる始発から乗っているわけです。

 

昨日も国際線ターミナルを出た時は乗客3人程度でしたが、第2ターミナルでまあまあの客を乗せ、

第1ターミナルを出発する時にはほぼ満席状態となってました。

飼い主はんの隣にも人が座ったのですが、それは小学3年ぐらいの男の子でした。

バスは羽田を出発し、都会の黄昏をくぐり抜けて所沢に向かっていましたが、

出発から20分ぐらいしてから左腕に妙な荷重がかかり始めました。

長旅の疲れなのでしょうか、隣の男の子が飼い主はんにもたれかかって寝ているのです。

この時飼い主はんたら不思議な感覚に襲われました。まるでこの子が、我が子であるかのような感覚に。

傍から見たら親子なんだろうなあ。飼い主はん父になったんだなあ。「そして父になる」の福山雅治だなあ。

それからずっと飼い主はんたら福山雅治気分になり、その子を起こさぬようじっとしてました。

途中で目が覚めて反対側にもたれた時は寂しくなりましたが、

再びもたれかかって来た時は「おかえり、ゆたか」と勝手に命名して父親気分を味わいました。

 

バスを降りる時、通路を挟んだ反対側にいた祖母らしき人が「もたれかかっちゃって本当にすみません」と謝罪してきましたが、

「いえいえいえ全然大丈夫っすよ」と一切福山雅治らしくなく、飼い主はん丸出しで応対しました。

2時間だけの父親体験でしたが、ああいうのも悪くないなあと思いました。

俺もいつかは本当の父親に……

 

「お!あんたもついに父性本能に目覚めましたか!」

 

と一瞬思いましたが、

やっぱ子供育てるのってお金かかるし怒ったらギャーギャー泣きわめくし自分勝手だしワンルームで子育てなんて無理だし自分の部屋に他の人がいるとか耐えられないし子供育てるぐらいならもっふもふのサモエド犬飼いたいし「お父さん休みの日ぐらいどこか連れてってよ~」あるし「お父さんのパンツとあたしの洗濯物いっしょにしないでよ!」あるし待機児童が問題になってるし授業参観とかめんどいし運動会の場所取りあるし反抗期あるし営利誘拐あるし集団登校の列に車突っ込むしジカ熱で小頭症あるし、

やっぱ子供はパスだ!